それは突然の出来事・・・
始めに平成19年3月20日に当店のホウシャガメ(マル)が何の予兆も無く卵を一つだけ産み落としました。
雄のホウシャガメと同居させ、マウントしている所も何度かありましたので、まだ卵を持っているかどうか確認の為、動物病院にて4月12日レントゲンを撮り、くっきりと5個写っているのが確認出来ました。 |
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さぁ、準備は整った。そして産卵へ・・・
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徐々にマルの食欲が落ちて行き、そろそろではと思われた5月1日飼育施設内をうろうろと落ち着きがなく気に入った場所を探している様子で、やっとひとつの所に留まったと思ったら上手に穴を掘りはじめました。
餌で釣って場所を移動してもらい、丁寧に卵を掘り返し無事5個確保しました。 |
ご存知の通りホウシャガメは絶滅危惧品種のなかでも最も危ぶまれているCITES(サイテス)Iに属しており
国内では登録されていない個体は流通が禁止されており、もちろん海外からの輸入も禁止されております。
国内で登録されている個体は十数頭と言われておりますので、この登録されている個体が繁殖成功しない限りは、いずれ動物園にしか居ないリクガメになってしまいます。
その動物園に居るホウシャガメは密輸されたものが摘発され保護されたものが殆どで、もし繁殖に成功しても世に出回ることはありえませんし、こちらでも成功しなければ日本国内からも、いずれ居なくなる可能性があります。
ただ、あちこちの動物園で日本初の繁殖成功を目指しておられる様ですが、今の所、当店が限りなくそれに近い位置にいると思っております。
日本国内で雄雌共に登録票付き同士の間での産卵は今回が初めてです。
しかも1クラッチで5個無事に確保したのも恐らく初めてと認識しています。
(もしこれらが違うと言われる方が居れば匿名でも結構ですのでご連絡ください、確認して訂正致します。)
以前、国内CBとして出回ったホウシャガメは、不正に登録されたもので実際に登録個体が国内で繁殖されたものではありませんでした。
今回、無事孵化した場合には勿論、環境省に登録申請致しますが、前回の上記事件の事もあり審査はかなり厳しいかと思われます。しかし当方は確固たる証拠として全てのシーンを動画(ムービー)としても保存してありますので、登録を拒否される理由はありませんし、絶滅保護の観念からすれば歓迎されるべき事だと思っております。
ともかく、数ヵ月後に孵化するか否かが一番の課題ですが、今回が第一回目なので海外では5~6クラッチ産卵すると言われており、繁殖成功は十分可能と考えております。
追記、
2007年6月12日:早くも2クラッチ目産卵、無事卵4個確保致しました。
2007年7月7日:3クラッチ目5個産卵中4個を確保
2007年7月24日:25日未成熟の卵1個ずつ産卵
2007年8月6日:4クラッチ目3個産卵全て確保
2007年9月7日:5クラッチ目6個産卵全て確保
2009年5月15日追記
レポートの続きを長らく更新しておりませんげしたが、あれからホウシャガメのマルは毎月一定の期間ごとに、4個~7個の産卵し続け今年4月までで合計142個の卵を産みました。
ただ、残念な事にまだ当店では孵化には至っておりませんでしたが、先日、横浜の野毛山動物園にて日本初のホウシャガメの繁殖に成功し5月9日に可愛いホウシャガメの赤ちゃんが孵化しました。
当店も日本初を目指しておりましたので、正直悔しい気持ちもございますが、可能性はあるのだという希望は持てましたので、その点では喜ばしい事だと思っております。
あと環境省や自然研も、こういった前例があった方が、当店の方で繁殖が成功した時にもスムーズに事が運ぶのではないかと考えております。
動物園で繁殖が成功しても、密輸個体からのものですので、世には出回る事はございません。あくまで、動物園で飼育され一般の方は見に行く事は可能です。
当店では、登録票付き個体の繁殖を目指しておりますので、繁殖が成功した暁には何としても登録申請を認めて頂き、飼育したくても今までもう不可能だと諦めていた一般の方に、ご提供出来る様に努力して参ります。